Verdant Steps

Concept
計画地は、鎌倉・鶴岡八幡宮の森に隣接する高台。南東道路に面した約40坪の敷地は、地盤が道路面より約2m高く造成されており、周囲の緑景を背景に静謐な環境を形成している。
木造2階建て・延床面積29.8坪の専用住宅は、スキップフロア構成によりコンパクトな躯体の中に多様な生活領域を内包する。エントランスは風致地区要件による壁面1mセットバックを利用し、外部と内部の緩衝としての坪庭を配した。玄関ホールからはプライベートスペースと水まわり、半階上がって多目的な畳スペース、さらに半階ごとにリビング・ダイニング・キッチン、個室へと連続する。
外観はキュービックなヴォリュームを基調とし、南東面の大開口が内部のチークパネリング天井と呼応しながら街路に明快な表情を与える。LDKにはルイスポールセンの《Patera》、リビングにはセルジュ・ムーユの《Applique Murale Deux Bras Pivotant》を配し、光と素材の対比を強調した。
外構は造成時の擁壁や階段を極力温存しつつ、植栽と石材によって周辺の森と連続する自然な景観を形成。内部各所に設けた開口部は、坪庭や外構植栽を取り込み、敷地全体を通して内外の環境が連続する構成としている。