通り土間の家
Concept
敷地は谷戸に広がる小高い山々に抱かれたような緩やかな傾斜地に造成された分譲住宅地。外観はガルバリウム鋼板で包んだシンプルな切妻建物に、庭に挟まれた通り土間を緩衝帯とした空間構成として道路からの視線が隣地まで抜け、適度な距離感と視線制御を伴う。
半屋外とした通り土間は子どもたちの遊び場、サーフボードのメンテナンスなど屋内と違うアクティビティにも対応している。2階はどこからも緑が見えるようシマトネリコを囲むようなLDK配置とし、鳥のような視線も楽しめる。古家具を愛好するご夫妻のために古建具を使用し床はチークの無垢材、天井はレッドシダーで仕上げた。
断面構成はスキップフロアでワンルーム状にゆるくつながり、床下の余剰空間を収納スペースとして有効利用している。
Review
二人目の子供が産まれて1カ月、
緊張感と疲労感からの現実逃避だったのだろうか?
なんと勢いで分譲地を買ってしまう。
子供が増えると今のマンションでは手狭になるな、と漠然とは思っていたものの
具体的な住み替え計画があったわけではない。
鎌倉在住20年余、あのエリアの分譲地はこの先当分出ないだろう....
人生最大の直感を信じるしかない。
このロケーションにどんな素晴らしい家が建つのだろう。
まさか家を持てるなんて。
昔から好きだった「建物探訪」になんなら出てやってもいいぞw
自然に囲まれたこの贅沢な環境で心豊かに育つ子供たち、多分グレないよな。
果てしない妄想倶楽部は続く…
さて、土地は手に入れたが....どうしたらいいんだ?
どの建築家とどんな家を建てるのか、
手探りで調べはじめ、複数の建築事務所へかけあってみる中
即座に声をかけてくれたのがdesus建築設計事務所だった。
複数の建築事務所からの同時プレゼンが進むが
desusさんの特異性として、
あくまで現在の生活をベースに、いま使っている家具のサイズ、
設計後の家具配置プランから、荷物の量、我々の好みに至るまで
現地調査も行い細やかに丁寧に汲み取ってくれた点が
他とは違うアプローチだったと思う。
そして安定のセンスの良さ。
実例物件の内覧を経て、その本物のセンスを体感して腹は決まる!
しかし、首がまだ座らない子供を連れての打ち合わせはなかなかハードで
日々忙殺されて家づくりの勉強が全く追い付かない。焦る。。。
例えばこのパーツはどれにする?ここの材質は何が良いのか?
いちから全部素人が調べるには要領を得なくて
無駄に時間を浪費してしまう事も多かったが
desusさんは「きっとこのあたりがお好みでしょう」と
ある程度篩にかけてくれた確度の高い選択肢をすでに用意してくれる。
趣向も正確に予測して汲み取るハイパフォーマンスに最後まで助けられた。
中でも、アンティーク家具を好む我々のために
建具の一部に古材を取り入れてみては?という提案では、
大きさや質感が異なる一点ものを見つけに建材の販売店にまで同行してくれて
造作して頂いた満足度高い成果物は
さらに味わいを深める最強のアクセントになっている。
住み始めて半年が経過して思うこと。
住む場所によってライフスタイルやライフサイクルが創られ
「人生は住む場所で決まる」説の支持者として
desusさんのお力添えにより最高のステージが整った!
worksの実績に残っていく我が家を末永くセンスよく保つことも
これからの我々の使命なのかなと思う。
これから家を建てる設計事務所探しに迷っている方へ
なぜこの設計だったのか、必ず緻密な裏付けがあり
実際住んでみてさらによくわかる優れた設計ポイントの数々。
様々なこだわりや悩みも
desusさんならきっとハイセンスに叶えてくれると自信をもって推薦したい。