CH3インナーバルコニーの家

Concept
プライバシーを保ちつつ周辺の緑を取込み、視線・風の抜けを確保する計画。ポーチは通り土間で中庭に抜けて主寝室、2階インナーバルコニー(IB)とつながる。IBの勾配天井はリビングからつながるWRCパネリング貼りで屋内の延長のような感覚で過ごすことが出来、風を感じながら読書をしたり、お酒を飲んだり、星を眺めたり。
屋内と屋外をシームレスにつなぐ空間を共用部とセットにしたことで間取り的役割を超えたアクティビティを包容する。省エネルギー対策等級4程度とし全熱交換機とエアコン2台で冷暖房を賄う。「通り土間の家」の南隣角地で隣り合う敷地を同時に設計できたことで、隣棟間隔、窓位置などの配慮により境界フェンスをなくし、開けた環境となった。
Review
葉山での土地・建築家探し、から私たちの家つくりは始まりました。私・妻ともに緑や海を間近に感じることができる環境で育って来たこともあり、都内のマンションではなく、自然を間近に感じることができる戸建でのびのびと子供たちにも育って欲しい、と言う思いから今回の引っ越しに至りました。
WEBやカタログなどから情報をかき集め、複数の不動産会社を巡る中、なかなか思い通りの土地・建築家に出会えないでいたところ、半年ほど前に鎌倉に引っ越した妻の友人宅を訪れる機会がありました。私は利便性よりも自然環境を重要視していたため、鎌倉よりも葉山の深い緑に惹かれていたのですが、友人宅のある鎌倉の笹目町と言う、利便性もありながら緑と海を間近に感じることができる静かな土地に驚き、そして惹かれました。何よりも、周りの自然環境を上手に取り入れ、その土地に自然にとけこむ気持ちの良い友人宅を実際に見て体感したことで、同じ街で、同じ建築家の方に家つくりをお願いしたいと言う気持ちに私たちはなりました。
このような縁もあり、土地探しと設計をdesus様と一緒に始めることになったのですが、実は、土地探しは私たちよりも早く妻の友人が今の土地を笹目町に見つけてくれて、この友人宅から直ぐの場所に家を建てることになりました。それからはdesus様と一緒に、”この場所で今後どのような生活をして行きたいか”と言うことを1番に考えながら、家つくりの一歩を踏み出しました。
鎌倉は前の住まいからは車で片道約1時間の距離がある場所でしたが、私たちのまとまらない意見と事務所内での子供たちの悪態にも、いつもdesus様にはアイディアと笑顔で応えていただきました。一方的に意見を押しつける訳でもなく、私たちの意見をそのまま受け入れる訳でもなく、専門知識と私たちのワガママを上手に取り入れていただけるdesus様とのこの距離感が、私たちにとっては非常に心地よく、最後まで気持ち良く家つくりを進めることができました。奇抜なデザインや大きな驚きはないですが、歳を重ねても落ち着いて気持ち良く暮らせる家になったと思います。これからは、この土地で、この家と共に、子供たちの成長を見守りながらゆっくりとした時間を過ごして行きたいです。